医療にかかわる多職種の皆様と連携のもと、包括的なシステムにより患者様のQOL向上にお役立て出来るよう努めております。
エントリージャパンは、患者様が日々の生活において継続的な訓練が行えるよう、包括的なシステムによりサービスを行っています。総合病院やクリニックなど開業医をはじめとする医療機関にとどまらず、研機関、大学など学生指導を行う教育機関において、パワーブリーズをお使いいただいています。また、医療機関様の多くは医療機器の販売業者様を通じて導入となるため、業者様を対象とした講習会などを行い、連携に努めています。
周術期の合併症として、無気肺・肺炎など呼吸器病変や呼吸機能の異常を引き起こす可能性があります。このような術後肺合併症の予防には、術前呼吸訓練が効果的であるといわれています。実際に術前呼吸訓練においてパワーブリーズが導入された医療機関の事例をご紹介します。
手術が決定すると主治医の指示のもと、患者は院内売店・コンビニエンスストアなどでパワーブリーズ(呼吸訓練器具)を購入します。術前呼吸訓練の指導には、リハビリテーション室や周術期センターなどにおいて医師、看護師、理学療法士(PT)が介入します。 *手術決定から手術日までを約1か月としています。
こちらはあくまでも一例となります。医療機関の体制により導入方法や介入する職種は様々です。周術期では呼吸器外科・消化器外科・心臓血管外科・婦人科・腎泌尿器科の手術における術前呼吸訓練を主として導入されています。導入をお考えの方はお気軽にお問合せください。
呼吸筋トレーニング(IMT)は、呼吸リハビリの運動療法において基礎的な種目の一つである。2011年、Gosselinkらは
2000-2009年に発表された32論文を解析した結果から、慢性閉塞性肺疾患(COPD)におけるIMTに関する新しいエビデンスを発表した。この報告によれば、IMTにより最大吸気圧、呼吸筋耐久力、漸増負荷圧、運動耐容能、ボルグスケール、呼吸困難(TDI)、健康関連QOL(CRQ)の全ての項目で有意な改善が得られている。
従来のIMT機器は、内部のスプリングの長さを変えることにより抵抗を調節するthreshold型であった。最近、バルブ弁口面積をテーパリング方式により変化させるtapered型が開発され、臨床応用が始まっている。さらに近年、IMTの具体的な実施に関して、持続時間よりも実施回数に重点をおいた方法が考案され、1回の実施を30回とする方式で最大吸気圧の増加が報告されている。最近、我々はこのような負荷条件によりCOPD患者にIMTを多施設多数例において実施し、最大吸気圧と運動耐容能の改善を報告した。
近年、心不全や神経難病におけるIMTの有用性も報告されてきている。今後IMTに関しては、このような慢性疾患のみならず、スポーツ領域や声楽領域における普及が大いに期待される。
秋田大学名誉教授/
医療法人久幸会理事